表形式でデータを扱い様々な計算を行うアプリケーション(ソフトウェア)を表計算ソフト(Spreadsheet)という。 計算だけでなく、グラフを描いたり、マクロで作業を自動化することもできる。 表計算ソフトの代表的なものとしては Microsoft Excel や LibreOffice Calc などがある。
[Libreoffice] を選択する。[Calc 表計算ドキュメント] をクリックする。[ファイルを開く] をクリックする。
| 部品 | 機能 | 
|---|---|
| メニューバー | 様々な機能をメニューから選択して実行する。 | 
| ツールバー | 特別な機能を直接実行する。 | 
| 数式バー | セルの内容を編集したり、数式を入力したりする。 | 
| サイドバー | 様々な設定を表示する。 | 
| ステータスバー | 状態を表示する。 | 
縦横に分割された一枚の表をシートという。 表のそれぞれの枠をセルという。
セルには数値、文字列、数式を入力する。 セルには直接入力できるが、数式バーを使っても入力できる。 セルごとに色を付けたり、装飾したりすることもできる。
列ヘッダには列番号がアルファベット(A,B,C,…)で示される。
行ヘッダには行番号が数字(1,2,3,…)で示される。
一つのスプレッドシートには複数のシートを含めることができる。 シートはシートタブで切り替えたり、追加・削除したりできる。
セルには数・テキスト・日時・数式などが入力できる。
セルに入力したものを確定させるには Enter かカーソルキーを押す。 確定したくない場合は Esc を押す。
セルに入力したものがそのままシート上に表示されるわけではない。 例えば、数式を入力すると、シートにはその演算結果が表示される。 セルの内容は、セルを選択して数式バーを見るか、セルをダブルクリックすれば分かる。
| 入力形式 | 自動認識 | 
|---|---|
 西暦/月/日 時:分:秒   | 日付 | 
 西暦/月/日            | 日付(時刻は 00:00:00 になる) | 
 月/日 時:分:秒        | 日付(西暦は入力時の年になる) | 
 月/日                 | 日付(西暦は入力時の年、時刻は 00:00:00 になる) | 
 時:分:秒              | 時刻 | 
:秒」の入力を省略すると 00秒になる。/」は「-」でもよい。=」を付けると「数式」として認識される。
複数のセルを結合したり、結合したセルを分割したりできる。
[セルの結合と中央寄せ] ボタンをクリックするか、右クリックしてコンテキストメニューから [セルの結合] を選択する。[セルの結合と中央寄せ] ボタンをクリックするか、右クリックしてコンテキストメニューから [セルの分割] を選択する。セルを結合するとそのセルを利用した計算やコピペなどでうまくいかないことがある。 その場合はセルを分割してから行う必要がある。
空欄のセルを挿入する。
[挿入] を選択する。[セルを下に移動]:挿入場所のセルを下にシフトさせる。[セルを右に移動]:挿入場所のセルを右にシフトさせる。[行の挿入]:1行まるまる挿入して、挿入場所の行を下にシフトさせる。[列の挿入]:1列まるまる挿入して、挿入場所の列を右にシフトさせる。[削除] を選択する。[セルを上に移動]:削除場所から下のセルを上にシフトさせる。[セルを左に移動]:削除場所から右のセルを左にシフトさせる。[行全体を削除]:1行まるまる削除して、削除場所から下の行を上にシフトさせる。[列全体を削除]:1列まるまる削除して、削除場所から右の列を左にシフトさせる。コピー&ペーストはいわゆるコピペである。
セルを選択し、コピーで一時的にコンピュータに記憶させ、ペースト(貼り付け)で記憶したものを貼り付ける。 コピー&ペーストは他のアプリケーション(Firefox など)との間でも一般的には可能である。
コピーの代わりにカット(切り取り)もできる。 コピーでは元のセルの内容は削除されないが、カットでは元のセルの内容は削除される。 カットしたものはコピーと同様にペーストで貼り付けられる。
[コピー](ショートカットキーは Ctrl+C)[切り取り](ショートカットキーは Ctrl+X)[貼り付け] を選択する(ショートカットキーは Ctrl+V)。
ペーストではコンテキストメニューの [形式を選択して貼り付け] から項目を選択することで貼り付けの形式を指定できる。
| 項目 | 機能 | 
|---|---|
 [書式設定されていないテキスト]   |  コピー元の書式を引き継がずに貼り付ける。 コピー元が数式の場合は処理結果を貼り付ける。  | 
	
 [テキスト]                       |  コピー元の書式を引き継がずにテキストのみを貼り付ける。 コピー元が数式の場合は処理結果のテキストを貼り付ける。  | 
	
 [数値]                           |  コピー元の書式を引き継がずに数値のみを貼り付ける。 コピー元が数式の場合は処理結果の数値を貼り付ける。  | 
	
 [数式]                           | コピー元の書式を引き継がずに数式のみを貼り付ける。 | 
 [形式を選択して貼り付け]         | 細かく貼り付け形式を指定できる。 | 
セルにペーストすると、上書きでペーストされるので、上書きしていい内容なのか注意する。
上書きせずに挿入する場合は、次のようにする。
[形式を選択して貼り付け] を選択する(ショートカットキーは [Shift]+[Ctrl]+[V])。[下へ]もしくは [右へ] を選択する。[OK] をクリックする。
連続する範囲にセルをコピーしたい場合は次のようにする。
絶対参照や相対参照(後述)の場合はコピー&ペーストと同じ動作になる。
数や日付の場合には 1 ずつ以外の増減もできる。
例えば、列方向に $0,5,10,15,\cdots$ のように 5 ずつ増やしたい場合は以下のようにする。
0」を入力し、その下のセルに「5」を入力する。ある行のセル全てや、ある列のセル全てについて操作したい場合に、一つ一つのセルを操作するのは非効率である。 行や列については、「行ヘッダ」もしくは「列ヘッダ」を選択することでセルと同様の操作ができる。
[行幅] もしくは [列幅] を選択する。書式を変更したいセルを選択して以下のいずれかの操作で書式の設定を行う。
| メニューバー |  [書式]→[セル] を選択   | 
	
|---|---|
| コンテキストメニュー |  [セルの書式設定] を選択            | 
	
[プロパティ] ボタンでも簡単な設定はできる。
セルの表示形式を変更するには [数値] タブで行う。
[数] にして、オプションで [3桁区切り] のチェックを入れる。[数] にして、オプションで [小数点以下の桁数] の数字を変える。[パーセント] にする。[日付] にして、形式から選択する。[時刻] にして、形式から選択する。
セル内で文字をどのように配置するかは [配置] タブで行う。
[テキストを自動的に折り返す] のチェックを入れる。[ハイフネーションを行う] にチェックを入れると、英単語を途中で分けて折り返すときに「-」(ハイフン)が自動的に入る。[セルサイズに合わせて縮小] のチェックを入れる。
セルに枠線(罫線)を引くのは [枠線] タブか、ツールバーの [枠線] ボタンで行う。
シート上のセルには初めから薄い枠線が見えるが、これは印刷されないため、印刷される枠線はこの操作で引く必要がある。
[+] をクリックすると新しいシートを追加できる。[シートの挿入][シートの削除] などを選択する。セルに含まれる文字は検索したり、別の文字に置換できる。
| メニューバー |  [編集]→[検索] を選択   | 
	
|---|---|
| ショートカット | Ctrl+F | 
| メニューバー |  [編集]→[検索と置換] を選択   | 
	
|---|---|
| ショートカット | Ctrl+H | 
この操作で「検索と置換」のダイアログが表示される。
[すべてを検索][前を検索][次を検索] のどれかをクリックする。[置換][すべて置換] のどれかをクリックする。LibreOffice Calc で内容を保存するために一般的に使うファイルは拡張子が .ods のファイルになる。 Microsoft Office などと互換性を保つために以下のファイルも扱うことができる。
| 拡張子 | ファイルの種類 | 
|---|---|
| .ods | ODF 表計算ドキュメント(Open Document Spreadsheet) | 
| .xls | Microsoft Excel用ファイル(97-2003) | 
| .xlsx | Microsoft Excel用ファイル(2007以降) | 
| .csv | CSV ファイル(CSV 形式のファイル) | 
CSV ファイルは拡張子が .csv のファイルで、一般的に CSV 形式1)で保存されている。 CSV ファイルを emacs などのエディタで開いてみると分かるが、中身はプレインテキスト(平文)で、データが「,」(カンマ)で区切られている。
CSV ファイルは非常に単純なデータ構造をしているので利用がしやすく、表計算ソフトだけでなくプログラムでも扱いやすい。 しかし、設定した書式やグラフを保存するなどの複雑なことができないので、グラフなどと一緒に保存するには表計算ソフト独自のファイルフォーマット(拡張子が .ods や .xlsx のファイル)で保存することになる。
コンピュータ内部では、各種文字には番号が付けられて管理されている。 これを文字コードという。
コンピュータや OS ごとに異なる文字コードが付けられていると互換性に問題があるので、文字コード規格が定められている。 日本語の文字コードには歴史的経緯から複数の規格が存在し、現在も統一されていないため、気をつける必要がある。 その中で CSV ファイルに主に関係するのは以下の二つの規格である。
| 文字コード規格 | 説明 | 
|---|---|
| UTF-8 | 日本語だけでなく、様々な言語の文字コードを定めた国際的な規格 | 
| Shift_JIS | 主に Microsoft の OS やアプリケーションで使用される文字コード規格 | 
インターネットからダウンロードできる CSV ファイルは、ほとんどが Shift_JIS で書かれている。 これは Microsoft Excel で扱う CSV ファイルの文字コードが Shift_JIS だからである。
一方、UTF-8 はテキストファイルや HTML を扱うために主流になっている文字コードであり、Ruby などで扱うには UTF-8 の方が都合がよい。
LibreOffice Calc は様々な文字コードに対応しているが、適切な文字コードを指定しないと文字化けが起こる。
[ファイルを開く] か、メニューバーの [ファイル]→[開く] で CSV ファイルを選択する。[Unicode(UTF-8)][日本語(Shift-JIS)] などを選択する。[ファイル]→[名前を付けて保存] もしくは [コピーを保存] を選択する。[保存] ボタンをクリックする。[Unicode(UTF-8)][日本語(Shift-JIS)] などを選択する。